介護職員が知っておきたい社会福祉と福祉の仕事

高齢者とともに生きる社会の必要

国が成長していくにつれて、高齢化の傾向も自然と進んでいくことになります。
今でこそ、学問としての研究や世界中のさまざまな事例をもとにして分析は進んでいるのですが、日本が高度経済成長の真っただ中にあった時代には、そのようなところまで目が向いていなかったところもあります。

 

そもそも日本の高齢化が進展していったスピードは世界的にも例のないものであり、来るべき高齢化社会に備えて過ごすべき老後についてビジョンを描くといったこともありませんでした。
すでに高齢者の人口比率が世界一になっている日本ですが、その数字はさらに高まっていくことが予想されていて、2013年に「4人に1人」を超えた数字は2050年を迎える頃に、「3人に1人」程度にまで上昇すると予想されています。

 

高齢化が進んだということは、高齢者がさらに長生きするようになったということです。
といっても「ただ生きている」ということでは意味がなく、生きがいのある日々を送ることができなければなりません。

 

つまり、生活文化を確立させることが必要であるのです。
高齢者を支える世代についても、ただ高齢者の健康が維持されるようにケアをしていれば良いというわけではなく、その生き方を支えるということが重要になります。

 

やがて自分たちにも高齢者としての日々は訪れるわけですから、高齢者の生活について考えることは、ひいては自分の将来について考えているということにもなるのです。
ずっと暮らし慣れている地域において、安心して暮らすということが理想となります。

 

働くことについてもできるだけ長くという流れになっていきますし、役割も担い続けるということになります。
それとともに、75歳以上となる後期高齢者の割合が高まっていることも無視することはできません。

 

どうしても介護が必要とされる人、健康面で何らかの問題がある人は増えていくということになります。
単身で暮らしている高齢者も多くなってきているため、家族による介護ではなく社会によるサポートも欠かすことのできないものになっています。

 

高齢者大学といった機関やボランティア活動の充実、シルバー人材センターの存在などは、高齢者とともに生きる社会を体現する取り組みの一例であるということができるでしょう。
意欲がある人は、自分の力で積極的に動こうとしているのです。

 

ただ誰もがそうというわけではなく、なかなか思うように社会とのかかわりを持つことができない人や将来への不安にさいなまれているばかりという人もいます。
それを考えると、社会はただただ高齢者の身体的なケアにばかり意識を向けるのではなく、したいようにして過ごすことが実現されるようなサポートをする必要があります。

 

実際に高齢者のうち過半数以上は、健康上の問題がない人であるのです。
社会でも、長い人生の中で蓄積されてきた高齢者の経験や知識が地域で広められ地域社会へ貢献することにつながるよう、枠組みをつくることが求められています。