介護職員が知っておきたい社会福祉と福祉の仕事

介護保険サービス事業者も生き残りの時代へ

介護保険分野には、多くのサービス事業者が参入してきました。
利用者である要介護者がそれぞれの事業者について検討し選択する以上、選ばれなければ生き残ることはできません。

 

施設の良し悪しは、勤務している介護福祉士の多さと比例するものでもありません。
医療・介護施設の分類についても、ニーズが多様化していく中でかなりの細分化がなされるようになりました。

 

有料老人ホーム、老人保健施設、療養病床、高齢者住宅等、そして特別養護老人ホームという区分がある中で、そのベースは医療、介護とホスピタリティの部分がすべてバランス良く提供されているということです。
医療、介護というそれぞれの分野でも、その垣根をなくす動きは進んでいます。

 

施設は全室が個室になっているものが割合を増していて、スタンダードになっていこうかという勢いです。
一方病院でも同様に、近年新規開設されているものでは個室の環境を備えて、有料老人ホームにも劣らないハードが整備されているケースが多くなってきました。

 

しかしながら入院期間の短縮という取り組みが進められている中で、病院での治療によって疾患の急性期を脱した患者さんについては、早期の退院を余儀なくされています。
そういった人がそのまま、高い医療ニーズのある状態で特別養護老人ホームへ入っているということも少なくないのです。

 

とにかくどこかに受け入れてもらわなければならず、施設の分類として自分に合っているかどうかといったことを検討する余裕もないということです。
このような状況で、介護保険制度は現状のままですと立ち行かなくなる可能性もあります。

 

ビジネスとして介護保険のことを考えると、製品を作って販売して利益につなげるという事業とは性質が異なるものであり、経費がなるべくかからないサービスを積極的に提供することで利益は大きくなります。
当初の介護保険では福祉用具の貸与、デイサービスといったことが該当するものであったため、厚生労働省は対策をします。

 

目下、有料老人ホームでは介護や医療の程度についてそれほど必要とされない人が利用するほどに、利益も大きくなっています。
これも要介護度の高い要介護者へ対応しなければならなくなるように、報酬体系を変更するといったことが考えられます。

 

これから制度が変更されるとして、小さな法人が運営しているような介護福祉施設が建て替えをするなどして対応していくことはきわめて難しいと見込まれます。
介護福祉士として働く場を求めるにあたっても、そういったことまでを考えて勤務先とする職場の検討にあたることが求められるのです。

 

たとえば特別養護老人ホームですと医療のニーズが高く、これまでのしくみではまったく採算が合わないような利用者を積極的に受け入れていくことが必要になることは想像に難くありません。
生き残るために越えていかなければならないハードルは、一層高くなっていくということになりそうです。