介護職員が知っておきたい社会福祉と福祉の仕事

青少年が支える高齢社会

ベビーブームの中で生まれた団塊の世代にあたる人たちが、高齢者として区分される年齢にさしかかっています。
つまり日本における高齢化は、現在もっとも急速に進んでいるのです。

 

当然ながら高齢者のサポートにあたるのは、それよりも若い世代にあたる人たちである青少年層です。
かねてから社会において支援しなければならない対象として挙げられていたのは、身体障害者の人たちでした。

 

身体障害者として定義づけられているのは、身体障害者福祉法にもとづく障害者手帳が交付されている人たちです。
年齢別の構成については30代までがおよそ5%、40代がおよそ10%、50代がおよそ15%となっていて、60代以上になるとその比率が70%に近くなっています。

 

実は高齢者が、過半数を占めているのです。
老化にともなう身体の衰えも障害と無関係ではなく、たとえば難聴気味となって補聴器を使用しているという人は聴覚障害者として認定されることにもなります。

 

また年齢とともに当然、病気を発症する可能性も高まります。
日本人に多い脳梗塞などを発症し、後遺症が残って日常的な動作をすることができなくなってしまった、寝たきりになってしまったとなると、きわめて重度の障害であるのです。

 

身体障害者と高齢者に重なるところも多いことから、身体障害者の人たちにとって住み良い環境はすなわち高齢者に住み良い環境であるともいうことができます。
住み良い高齢社会を考えるにあたって、青少年層はそれを自分の問題であるとして認識しなければなりません。

 

将来の自分が高齢者になるということについて、他人事のように考えていてはいけないのです。
遠い将来のことだからイメージが湧かないということであれば、自分の両親のことを考えると「老後」はそれほど遠くないということになります。

 

両親が生きがいとともに幸せに老後を送ることは、自分にとっても大きな喜びです。
そのために、自分がどのような役割を果たすことが良いのかと考えるのです。

 

すると社会全体のことについて知らなければなりませんし、高齢社会のこともしっかり理解する必要があります。
問題点について把握し解決策を模索するならば、自分の経験を通じて感覚として得るものもなければなりませんから、実際に高齢者の人たちと交流するなどといった活動をする機会も持つべきです。

 

地域単位で若い青少年層がしっかり高齢者をサポートし、助け合いの中で安心して毎日を過ごすことができる社会には、豊かさがあります。
そういった人々の実践を前提として、その上で行政も積極的な取り組みを行うことによって、充実した社会福祉が実現するということにもなるのです。

 

1人の高齢者がいろいろと困っていて、それぞれの場面で10人の青少年が別個に気づいて助けたとすると、その人の1日は10人の小さな気づきに救われたということになります。
根底にあるものは、人々にとってもっとも身近な地域社会における個人個人の小さな努力であるのです。